





エリートで既婚者。
結局はそんな満たされた男のちょっとした遊び心。
アラサー独身で結婚に焦り、毎日を鬱々と過ごしていたこちらにとっては、到底許せる話ではなく。
独身と嘘をつき、偽りの愛情でこちらの心を縛り付け、ややこしくなったら抵当に終わらせる。
まさとはきっと、最後までこちらの惚れた弱みに付け込んでいたのだろう。
裏切られ、前以上に空っぽになった自分。
何も失わず、傷ついてもいないまさと。
不公平だ。
まさとにも、大事な物を失わせたい。
社会的制裁を受けさせたい。
大学院の頃からずっと専門的な勉強をしてきて、それに直接関わる仕事に携わっている事に誇りを持っていたまさと。
まさとが仕事を失ったら…。
私がまさとの会社にこの出来事を告発したら…。